ビンビールズの歩み2003〜2008 最終話 迷信と科学
(注)この記事は2008年に公開したもののリバイバルです。
ビンビールズはとにかく、行けるところまで行く。サラリーマンだろうがいい歳だろうがそんなこと関係ねえ。そう決めて今まで以上にライブ活動に本腰を入れ始めたビンビールズ。メンバーの意識が同じ方向に向かった。
そして、ビンビールズは次回作のレコーディングに入った。今回は今まで自分たちですべてレコーディングしていた手法を初めて変更し、レコーディングエンジニアとして"ザッキー"氏を迎え、録音からミックスダウンまでを依頼した。ザッキー氏とも2006年のオルガズムで初めて出会い、 お互い小岩の同じリハスタでリハをやっていることが判明し、その独特な不良大人な雰囲気に共鳴して以来の長い付き合いになる。ザッキー氏のレコーディングの特徴は、 まずレコーディング前にバンドの音や 雰囲気を理解するのに長い時間を費やすことにある。 だからライブのときも俺たちのサウンドメイキングに関して いろいろとアドバイスをもらいながら、ベッタリ付いて支援してくれた。おかげで、俺たちの望む音に限りなく近い作品が完成した。
レコーディングは順調に進んでいたが、一つだけ決まらなかったのがどのような形で音源をリリースするかについてだった。”けやき”のミーティングでは全国流通、つまりCDデビューしようという意気込みだったのだが、レコーディングの傍らで音源をいろんなレコード会社に送っても、レスポンスは得られなかった。しかしある日、これまたaudioleafを聞いたであろう ある小さなレコード会社からメッセージがあった。 小さな事務所だが、ビンビールズの活動スタイルを理解してくれたと思った。そして俺たちはそのレコード会社からアルバムを発表することにした。
収録曲
1. 黄色い太陽
2. ハチミツハニー
3. すきま
4. 迷信と科学
5. 白いドア
6. 此の世の裂け目
7. ほつれ
8. 東京
「東京」は前作からの再録だ。前作ではナマハゲがすべて弾いていた東京のギターをやっと、毛ガニが自分で弾かせてもらえることになった記念すべき瞬間でもあった。
タイトルを決めるにあたり、会議を開いた。
なかなか良い案が出てこなかった。そんなとき毛ガニがポツリ
『レコード』ってどうかな?CDなのに『レコード』
いいねそれ。ということで、その瞬間にタイトルが決定した。
そして完成した8曲入りフルアルバム。
毛ガニのギターも時には強烈な個性が出てきたと思う。ときおり見せる、おおよそ一般的なギタリストが考えたとは思えない斬新なパターンは聴いている者を異次元に連れて行く。まんぷくのドラムはよりシャープさを増し、地の底から響いてくるような迫力がある。さとしこのベースは繊細さは残しながらもより荒々しさを増し、そのスタイルが確立された。
そんな風にしてビンビールズのインディーズ1stアルバムが完成して、念願の「レコ発ライブ」を新宿RUIDO K4でのオルガズムで出来る運びとなったのだ。
最後にアルバム収録の「迷信と科学」の歌詞について少しだけ解説を入れて、この記録を終わりにしたいと思う。
時には気を吐いて疾走間を搾り出して
走ろうぜ夜明けまで 走ろうぜ夜明けまで
時には気を抜いて厭世感に身を任して
落ちようぜ飽きるまで 落ちようぜ飽きるまで
ここは、紆余曲折する21世紀の世の中すべての人に向けて唄ったものだ。
世の中には 迷信と科学が溢れていて
だから 僕が信じるのは 君だけです 君だけです
ここは、愛する人に向けて唄ったものだ。
時には音出してコンピューターは納屋において
歌おうぜ飽きるまで 歌おうぜ飽きるまで
ここは、音楽を愛する人たちに向けて唄ったものだ。
そして
君の説は科学じゃなくて フィジカルなフレーズをまるで壊している でも最高だ
君の歌は綺麗じゃなくて リリカルなフレーズをまるで壊している でも最高だ
この部分は他でもない
毛ガニに向けて歌ったものだ。
俺たちは今やっとスタートラインに立ったところである。
そして2008年9月13日
ビンビールズは4人並んで、レ・コード発売ライブのステージにあがって行った。
<おわり>
at 15:16, bimbeers, ビンビールズの歩み2003〜2008
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